やがて雨は止み、「さざれ石山」の横を通って、桜守として知られる佐野藤右衛門さんが育てる桜を見ながら、観月の名所「広沢の池」へ到着。このころは西日がうっすらとさし、なんとも神々しい風景が目前に広がりました。

広沢の池の向こうに美しくそびえる山は遍照寺山といって神南備(かんなび)山と呼ばれています。「なび」というのは隠れるという意味があるそうで、神が隠れる、つまり神様がいる山ということです。たしかに神々しいまでの美しさ。ちなみに山の名前ともなった遍照寺はちゃんと広沢の池から南に200mほど下がったところに今もあります。
さてここからが千代の古道がますます往時の雰囲気を偲ばせます。今は田んぼのあぜ道のようになっていますが、あきらかに嵯峨御所であった大覚寺に向かって伸びています。途中、下馬野(げばの)を通過。なるほど、ここで都からやってきた貴族達が馬を下りたというわけですね。リアルに地名に残っているのがまたすごい。
あたりは夕闇につつまれて、ほんとうにタイムスリップした雰囲気です。ここで月がでていれば完璧なのでしょうが・・・、残念ながら分厚い雲に覆われているようです。大覚寺からはいっそう雰囲気をかきたてるかのように管弦楽の音色が流れてきます。
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