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らくたび京都開催レポート
 〜2008年 4/12(土) 春の京都御所一般公開と貴族の愛した桜 〜
 
 2008年4月12日(土)13時、「春の京都御所一般公開と貴族の愛した桜ツアー」の約30名は京都御苑堺町御門をスタートしました。事前に配布された行程表にはこの日のコースが記載され、最初に見た時は「えっ!? こんなに回るの?」と少々驚きましたが、そのほとんどは京都御苑内に位置しています。つまり、京都御苑内だけでもツアーが成り立つほど見所があるということです。行程表には幕末期の内裏地図が資料として載っており、それを見ると、当時は御所を取り囲む様に、宮家や公家屋敷が建ち並んでいたことがわかります。
 最初に、数ある公家の中でも近衛家と並ぶツートップ、九条家の邸宅跡へ行きました。ここには現在も庭園と茶室 拾翠亭(しゅうすいてい)が遺構として残っており、茶室は金・土曜日に限り公開がされていますので(ナント100円で!)、今度改めて訪れてみたいと思いました。また、この九条家邸宅内には、平清盛が福原を経て勧請(神仏の分霊を分けてまつること)された厳島神社が御鎮座されています。厳島神社の唐破風鳥居は、京都検定では「京都三珍鳥居」の一つとしてすっかりおなじみですが、私はこのツアーでようやく実物を見ることができました。遅ればせながら、「三珍鳥居制覇」です。

 続いて蛤御門(はまぐりごもん)へ移動しました。この蛤御門、今では名前として定着していますが、正式には「新在家門(しんざいけもん)」という名称があるのです。天明の大火の時にそれまで閉ざされていた門が開けられたことから、熱を加えると開くハマグリに例えられ呼ばれているのですが、京都にはこういった事実や伝承がそのまま地名や名前になっている所が数多くあります。それらの名前には、先人たちが歩んできた道のりや大切にしてきた思いが込められており、そういった出来事を知ることで、京都巡りがますます楽しくなってくることを、らくたびを通して教えて頂いてます。
 宜秋門前に咲く 御車返しの桜 もまた、伝承から名付けられた桜です。一つの花に一重と八重が一緒に咲く珍しい品種で、そのあまりの美しさに、後水尾天皇が車を引き返らせたことから、「御車返し」の名が付きました。例年であればもう少し後に咲く、「遅咲き組」のはずなのですが、今年はこの日が見頃となっていました。それにしてもこの後水尾天皇、あちらこちらに伝承を残されていますね。(2月の涅槃絵ツアーでも登場されていました)今度、講座で「後水尾天皇特集」を組んでもらいたいものです。

 さて、続いて今回のメインである京都御所の一般公開へと向いました。ご存知の通り今年は「源氏物語千年紀」です。一年を通してゆかりの地で、講演会や特別展が開催されていますが、「実寸建築物」はなかなか目にすることはできません。その点、この御所の公開は、源氏物語の舞台となった内裏は今の御所とは異なるとは言え、文献に基づき平安様式で再建されていますので、雅な世界を体感するには非常に良い機会となりました。

  また順路にしたがって見学して行くことで、平安時代の神殿造りで再建された「清涼殿」と、室町時代に建てられた書院造りの「御学問所」「御常御殿」の建築様式の違いを比較して見ることもできました。見学途中、若村先生のわかり易く、聞きやすい説明に、一般の方まで集まってしまって、「へぇー」と言う声が、あちらこちらで聞こえていました。やっぱりご案内付きで見るのと、なんとなく見てしまうのは楽しさが全然違いますからね。

 次に一行は、近衛邸跡へ。ここには京都の桜の先陣ともいえる枝垂れ桜が植えられています。ひらり、ひらりと花びらが舞い散るその優雅な姿は「これが貴族の愛した桜なのだ」と実感できる美しさで、今でも多くの方が「好きな桜スポット」にあげることが納得できます。

 中山邸跡と明治天皇ゆかりの井戸を見学した後、御所の北東角の猿ヶ辻では「満れば欠くる世の習い」から、あえて完成はさせず、天皇家の益々の反映を願った築地塀のくぼみと、鬼門封じの猿の説明を聞きました。ここのお猿さんから、幸神社、赤山禅院、そして比叡山と続く「猿ライン」が連携して、京都を守ってくれている訳です。(お猿さん達、これからも頑張ってね!)

 

 そしてその後、梨木神社では「京都三名水」のひとつ「染井の井戸」で喉を潤し、廬山寺、清浄華院を外から拝観した後、鴨川へ出てこの日のツアーは終了となりました。
 
 思い返せば、去年の夏の猛暑、冷え込みの遅い秋、暖冬と言われた12月、なのに1月、2月の大雪。「ほんまに春ってくるんやろか?」と思っていたら、スギ花粉の襲撃で泣いた(?)3月を経て、今日のこの「桜ツアー」を迎えました。近年の地球温暖化の影響で将来は四季がなくなっていく・・・という説を耳にしたことがありますが、やはり夏の暑さや冬の厳しさがあってこそ、待ちに待った「春」を実感するのです。

 ツアーの最後に鴨川を振り返って眺めて見ると、“そうだ、京都行こう”のポスターさながらの、それはそれは素晴らしい風景が遥かに広がっていました。

執筆: らくたび会員 森明子 様
写真提供: らくたび会員 坂田肇様 他
 

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